酷暑の売れ筋、1位カルピスウオーター。2位凍らせておいしいカルピス。3位カルピスクリアゼロ。
 
  一般的にはカレンダーと、横文字でよばれる暦には、生活情報が記されています。よく利用されているのが、大安とか仏滅とか先
 勝に代表される六曜(ろくよう)。これは、もともと中国で生まれ、日時、方位などの吉凶・運勢が暦に書かれるわけですが、冠婚葬
 祭などの儀式と結びつき強い影響力を見せているわけです。この六曜(ろくよう)ほどではありませんが、季節を正しく指し示す尺度
 として暦上に設けられているのがニ十四節気(にじゅうしせっき)。太陽太陰暦の一太陽年を二十四に等分、それぞれに季節の名称
 
 がつけられたもので、立春とか冬至がそれにあたり、もともと中国の戦国時代に中国の気候を基に考案されたため、日本の気候と
 は若干のズレが見られるともいわれています。暦上で、暑さが増え始めるのが7月7日ころの小暑(しょうしょ)。晴天の日が続いて
 気温が上がり続け、一年で最も暑い日が大暑(たいしょ)で、7月23日頃と言われています。この大暑の期間にあたる今年7月下旬
 の関東甲信地方の平均気温は、気象庁の統計開始以来の最高記録。中国・戦国時代の知恵が今年の酷暑を言い当ているともいえ
 ますね。このように、今年は大暑に近づく頃からの猛暑日の連続によって、熱中症になる人が続出したわけで、まさに大暑の季節そ
 のものです。それでは、こういった酷暑の時期によく飲まれる飲物は? ジュース・野菜系カテゴリーの売れ筋は? コンビニPOS
 データを集計、売れ筋とトレンドをいち早く捉える、POSBANKのデータベースには、第31週の売れ筋1位から3位まで独占したカ
 ルピス3商品の動向が現われています。
 
  グラフ1.は、POSBANKのジュース・野菜系(小型PET)カテゴリー日別販売数量推移です(第27週〜第31週)。期間としては
 梅雨明け前の6月末から、最も暑さが厳しい大暑に入った約5週間の推移です(第31週の上位ランキング5商品)。この5商品のうち
 1位から3位を定番の「カルピスウオーター」と、「カルピスウオーター系」が占め、それにフルーツジュースの伊藤園「熟オレンジ」が
 4位、カゴメ「トマトジュース」が5位で推移している様子が分かります。とくにグラフ全体、6月の末から7月下旬にあたる第27週から
 第31週を見ると、気温と湿度の上昇に比例して右肩あがりの傾向が見られます。酷暑が厳しくなった第29週前半の14日あたりから
 上昇が大きくなり、1位のカルピスウオーターがいちだんと大きな「山」を形成しています。スッキリ、サッパリ系のカルピスで渇きを
 癒す人が多いのでしょうね。さらに「凍らせておいしいカルピス」と、第31週に新登場した期間限定「カルピスクリアゼロ」がほぼ同じ
 「山」の形で推移しています。氷の冷たさ「凍らせておいしいカルピス」、カロリーゼロの「カルピスクリアゼロ」と、スッキリ、サッパ
 
 リ系のカルピスは酷暑に嬉しい飲み物だからでしょうか。それと、推移の「山」がピークを見せるのがほとんど土曜日で、酷暑の日
 !(「カルピス」を飲んでいるシチュエーションをイメージしてしまいます)。また「カルピス」とも、「熟オレンジ」とも違ったパターンを
 見せ、酷暑の時期でも殆ど水平に推移しているのが、カゴメ「トマトジュース」。厳しい暑さの時にとくに飲まれるというより、天候や
 気温に関係なく健康飲料としての飲まれ方が一般的かも知れません。しかも購入パターンは、月曜日から金曜日のウイークデーが
 多く、土日は減少、「カルピス」と逆の傾向。ビジネスデーに飲まれているわけです。このカゴメ「トマトジュース」が野菜ジュース系と
 すれば、伊藤園の「熟オレンジ」はフルーツジュース系ですが、こちらは7月後半の酷暑に向って徐々に販売数量推移が上がってい
 ます。暑さに比例して、多少の反応といったところでしょうか。このように「カルピス」をはじめ飲物の購入パターンは、それぞれ。シ
 チュエーションや気温によって、選び方が違っていることが推察されます。ニュースによると、数日後に再び連続猛暑日がやってく
 るという予報が出ています。その時の推移と、今回の推移をPOSBANKのデータベースで比較してみると、酷暑と飲まれる飲物の
 傾向が改めて見えてくるかも知れませんね。
                             売れ筋・トレンド、POSに出る  
  
                                    POSBANK 
  
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                               FK・Mards 又は Mpac
            グラフ1.ジュース・野菜系(小型PET)カテゴリー、日別販売数量推移(第27週〜第31週)  
                        ※ 客層の年齢目安。子供:〜15才。若者:16〜29才。成年:30〜49才。熟年:50才〜 
                     (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査)