熱中症で、売れ筋変わる? 袋キャンデイ第1位、ライオン菓子「うめ塩飴」。2位、ノーベル「男梅」
 
  先ごろ、熱中症のため救急車で病院に搬送された人の7月の速報値が、消防庁から発表になりました(全国統計)。それによりま
 
 すと、ピークは猛暑が連続し始めた23日で約1800人。また、ピークの23日をはさんだ7月19日から25日の1週間で約9900人も
 が搬送されたといわれます。僅か1週間で、1万人ですから、ちょっと驚きですね。熱中症は、特に気温が31℃〜32℃になると急激
 に患者が増える傾向があり、温度と湿度の高い室内でも脱水症状になりやすいとのこと。原因は屋外とか室内を問わず、高温下に
 いると体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、カラダの調整がうまくいかなくなることにあるようです。予防策は、コマメに水分を
 補給したり、汗とともに失われる塩分(ナトリウム)の補給を心がけることが大切といわれます。しかし、救急車での病院搬送が連日
 のニュースで話題になるまで、熱中症の原因や対処法を、あまり意識していなかった人も多かったように思われます。ところが、サ
 ッソクの学習効果? テレビニュースで熱中症の話題が頻繁に取り上げられて以来、コンビニでのミネラルウオータ、スポーツドリン
 ク、PET茶、炭酸飲料といったドリンク類の購入が大幅に増加しているのです(熱中症の予防のための購入だけでなく、連日の猛
 暑日での購入も多いと想定されますが)。ちなみにコンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドをいち早く捉えられるPOSBAKの
 データベースでは、梅雨明け前の7月上旬に比べ中旬から下旬にかけて、ドリンク類の販売数量が30〜40%以上も増加していま
 す。それと、もうひとつ、熱中症の増加に伴う隠れたトレンドとして、「塩」フレーバー商品が挙げられます。この夏、袋キャンデーの
 売れ筋ランキング上位を、「塩」フレーバー商品が占めているのです。予防のための塩分を、飴で摂ろうというわけです。
 
  グラフ1.は、袋キャンディ・袋チョコレートカテゴリー、週間販売数量推移グラフ(第27週〜第32週)で、第32週の売れ筋ランキン
 グ上位7商品の6月末(第27週)からの推移を見たものです。このグラフが物語っているのは、第30週(7.26.〜8.1.)でライオ
 ン菓子「うめ塩飴」と、ノーベル「男梅」が急上昇している点。僅か1週間で、日本全国の1万人が熱中症で搬送された、その時期で
 す。また味覚糖「特濃8.2塩ミルク」も、第29週から第30週かけて上昇しているのが分かります。かなり、熱中症との相関関係があ
 
 りそうですね。また、年間を通してコンスタントにランキング1位、2位を占めている、味覚糖「特濃ミルク8.2」や、カンロ「もりもり山
 のくだもの飴」、榮太楼「黒みつ飴」といった定番商品の販売数量が、第30週でそろって減少。熱中症の予防に、「うめ塩飴」や「男
 梅」へシフトしてしまったことが想定されます。さらに第31週に新登場の不二家「しおミルキー」は、翌週もシッカリと第3位をキープ、
 味覚糖「特濃8.2塩ミルク」が売れ筋ランキング第4位と、第30週以降の塩の人気が目に付きます。
  グラフ2.は、ライオン菓子「うめ塩飴」、週間販売数量推移比較グラフ(2008年、2009年、2010年/各、第27週〜第32週)です。
 昨年、一昨年、そして今年の同時期(第27週〜第32週)の販売数量推移比較です。今年の「うめ塩飴」は第30週以降は、それ以前
 に比べ約2倍の販売数量を記録、しかも第32週まで右肩あがりの推移が続いています。やはり、今年の気候・気温が「うめ塩飴」の
 購入を促している? 大掛かりに熱中症に備えるというよりも、気軽に塩分を補給するのに、飴は手軽な存在かも知れませんから。
  グラフ3.は、ノーベル「男梅」、週間販売数量推移比較グラフ(2008年、2009年、2010年/各、第27週〜第32週)です。「男梅」
 も、「うめ塩飴」と同じように、やはり第30週で大きく増加して推移、第31週でピークをつけ、第32週で若干減少していますが、売れ
 筋ランキング2位をキープしています。POSBANKのデータベースで袋キャンディ・袋チョコレートカテゴリーを見ていくと、年末年
 始から春にかけて販売数量が増加、5月頃から真夏にかけては減少する傾向が見られます。ところが、今年の場合、袋キャンディ
 の販売数が最も減少する夏に、「うめ塩飴」、「男梅」、「しおミルキー」、「特濃8.2塩ミルク」といった、「塩」フレーバーの逆上昇が
 顕著なわけです。話は、少しそれます。この季節、真夏のゴルフはハードですが、プレーのあとのビールを心待ちにしているゴルフ
 ァーたちも多いと聞きますが、近ごろは炎天下でのプレーの前後に、クラブハウスに用意された梅干や天然塩を口にするように心が
 けているプレーヤも増えているといわれます。梅干にしろ、天然塩にしろ、塩飴にしろ、水分と一緒に補給する習慣は大切にしたい
 ものですね。今週の旧盆明け、また暑さがぶり返す様子です。今後の気候・気温がPOSBANKの売れ筋ランキングに、どのように
 影響するのか。袋キャンデイカテゴリーへの興味は、尽きません。
 
                             売れ筋・トレンド、POSに出る  
  
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         グラフ1. 袋キャンディ・袋チョコレートカテゴリー、週間販売数量推移グラフ(第27週〜第32週)
   グラフ2. ライオン菓子「うめ塩飴」、週間販売数量推移比較グラフ(2008年、2009年、2010年/各、第27週〜第32週)
      グラフ3. ノーベル「男梅」、週間販売数量推移比較グラフ(2008年、2009年、2010年/各、第27週〜第32週)
                        ※ 客層の年齢目安。子供:〜15才。若者:16〜29才。成年:30〜49才。熟年:50才〜 
                     (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査)